聴く、話す、書く コミュニケーション仕事術

聴く、話す、書くを仕事にしてきたライター林が、すぐに役立つコミュニケーション術を紹介します。

中身がない人に会ってしまって、反省&愚痴

久しぶりに、中身がない薄っぺらい人に会ってしまい、びっくりしています。というか、そんな人に取材を申し込んでしまった自分に、がっかりして落ち込んでいます……。

その人は、ハーバードで受けた授業がなんちゃらかんちゃら、大企業の●●ではどうしたこうしたとか、●●の社長がどうのこうのと、次から次へと、どっかで聞きかじったようなことを口にするんですよ。このぐらいの話は、ビジネス書を読んだり、テレビを見れば、誰にだって言えます。そんな程度。

それで、鋭い見解とか、自分なりの考察というか、そこから何を学びとったのかとか、そういうことが感じられないわけです。

ただ、適当に思いついたことを、言ってるだけ。ペラペラと。やたら饒舌に。

見事に、話の中身がない。

 

この人が大学教授(あまり人気があるとは言えない大学の)とはびっくりです。

経歴はものすごく立派。日本の某有名私立大学を卒業してることを、何度も何度も言うんですよ。過去に有名大学で講師をしてたとかね。

いろんな学会や団体に、かかわっています。

もしかしたら、過去には優秀だったのかもしれませんが……実際に会ってみると……

「今」、頭を使ってる感じを受けないのです。

 

70代、80代でも、すごい人はいるんですよ。

そういう方に会うと、学ぶことが多いし、刺激を受けます。

 

でも、この人は違いました。

歳を取ると、個人差が本当に大きいです。

そういえば、私のまわりにも、有名大学出身でも、「仕事が全然できないおじさん」はいますからね。

偉そうなことを書いている私自身は、普通のオバサンですけどね。うっかり、失敗したりもしますよ。

ただ、大学教授なのになぁ、と思ってしまったのです。

ちゃんとした大学教授をたくさん知ってるだけに、この違いに驚いてしまったというか……。

 

この人を見付けたのはネットです。ご本人のHP、インタビュー記事を見まして、興味をもち、著書を買って読んだら、それなりにおもしろかったんです(実際は、著書はライターが書いたものだそうです……)。

 

ネットでは自分がいかにすごいかを、自分でいくらでも書けますからね。

本当にすごい人を探すのは難しいですね。

特にビジネス界の人は。

ビジネス的に「自分をアピールするのがやたらうまい人」というのがいらっしゃるようで、実物以上に見せてしまえるという……。

それもひとつの才能だとは思うんですが、発言をかっちりした文章にまとめようとすると、オリジナリティがないことがバレバレになってしまうんですよ。

講演会の講師をやってるような人だから、大丈夫かと思ったんですけど、「本当はたいしたことないから、アピールに必死なのかも」と考える必要があったということです。

 

今、何が気が重いかって、こんな中身のない人の発言を、かっこいい原稿にしなきゃいけないことです。そして、それを読んだ読者が「この人、すごい人なのかも」と勘違いするのかと思うと、なんともつらいです。