聴く、話す、書く コミュニケーション仕事術

聴く、話す、書くを仕事にしてきたライター林が、すぐに役立つコミュニケーション術を紹介します。

【聴く】頭を使いながら聴く

頭を使いながら話を聴く、これが結構難しいことなのです。

若いころはできませんでした。

話を聴いているふりをしながら、実は、次にどの質問をしようかと必死に考えていました。

もちろん、質問項目は事前に決めていっているんですけど、どのタイミングで新しい質問を出そうか、ちゃんと全部質問して帰らなくちゃ、と必死でした。

このやり方、一問一答式でたくさん質問がある場合は有効だと思います。

文字数が少ない原稿、例えば、情報誌の物や店の紹介でしたら、これで大丈夫かもしれません。

 

でも、これをすると話がぶつ切りになりますからね。

長めのインタビュー記事ではこのやり方は通用しません。文字数が埋まらなくなります。

話を適当に受け流しているわけですから、有効なリアクションや質問ができず、話をふくらませられないわけです。そうすると、踏み込みの甘い、底の浅い記事になってしまいます。

 

インタビュー記事を依頼されることが増えてから、私は頭を使いながら話を聴いて、話に乗っかることを心がけるようになりました。相手が言っていることを、一緒に考えながら聴くということです。

そうすると、疑問がわいてきたらすぐに質問できますし、「ここが大事」と思った部分に関してはさらに質問して、話を膨らませることもできます。

相手は思っていることを丁寧に話せて、私のほうはたっぷり話を聴かせてもらって疑問をクリアにできて、両者が気分よく取材を終えられるようになりました(と、私は思っています)。