【聴く】頭を使いながら聴く
頭を使いながら話を聴く、これが結構難しいことなのです。
若いころはできませんでした。
話を聴いているふりをしながら、実は、次にどの質問をしようかと必死に考えていました。
もちろん、質問項目は事前に決めていっているんですけど、どのタイミングで新しい質問を出そうか、ちゃんと全部質問して帰らなくちゃ、と必死でした。
このやり方、一問一答式でたくさん質問がある場合は有効だと思います。
文字数が少ない原稿、例えば、情報誌の物や店の紹介でしたら、これで大丈夫かもしれません。
でも、これをすると話がぶつ切りになりますからね。
長めのインタビュー記事ではこのやり方は通用しません。文字数が埋まらなくなります。
話を適当に受け流しているわけですから、有効なリアクションや質問ができず、話をふくらませられないわけです。そうすると、踏み込みの甘い、底の浅い記事になってしまいます。
インタビュー記事を依頼されることが増えてから、私は頭を使いながら話を聴いて、話に乗っかることを心がけるようになりました。相手が言っていることを、一緒に考えながら聴くということです。
そうすると、疑問がわいてきたらすぐに質問できますし、「ここが大事」と思った部分に関してはさらに質問して、話を膨らませることもできます。
相手は思っていることを丁寧に話せて、私のほうはたっぷり話を聴かせてもらって疑問をクリアにできて、両者が気分よく取材を終えられるようになりました(と、私は思っています)。