聴く、話す、書く コミュニケーション仕事術

聴く、話す、書くを仕事にしてきたライター林が、すぐに役立つコミュニケーション術を紹介します。

【聴く】表情を豊かにする

初対面の社会人と話したときに思うのは、無表情な人が多いということです。

初対面の時は本当にみなさん、無表情ですね。

まるで怒っているみたいに見えます。

不思議なことに、次に会うと、ニコニコあいさつしてくださったりするんですけど。

 

私は、初対面の人に話を聴くのが仕事なので、二回目はないのです。

一回目でも心を開いてもらって、ノリノリで話していただくには、聴く側が、表情を豊かにする必要があると思います。

もちろん、相手をバカにしたり、見下したり、そういうマイナスの感情を外に出してはダメですよ。

こちらは仕事で話を聴きに行っているんですから、相手に気分よくなってもらって、いろいろとたくさん話してもらわなければいけないわけです。

 

もしも自分が話す立場だったら……無表情の相手に向かって話をするのは嫌ですよ。

無反応では、その話がおもしろいのか、おもしろくないのかわからないじゃないですか。

ものすごく仏頂面で、怒ったような表情で、自分の話したいことしか話さない人も確かにいます。

でも、こういう人は一握りで、多くの人はサービス精神をお持ちです。相手のニーズにこたえたいし、満足感を与えようとしてくれるものなのです。

別に、話がつまらないのにおもしろいふりをする必要はないと思いますが、おもしろいときは「おもしろい!」とわかりやすく表情に出したほうがいいと私は思っています。

そうすると、相手は乗ってきて、どんどんしゃべってくれるからです。

 

話が込み入っていて、ちょっとわかりにくいなと思ったとき、本当はわかっていないのにわかってるふりをする人が多いのではないでしょうか。私も若いころはそうでした。「よくわかりません」などと言ったら、中身がないことがばれてしまうと思っていたからです……。

今では、話がよくわからないな、と思った時はちょっと眉間にしわを寄せることにしています。そうすると、相手はちゃんとこのサインを読み取って、わかりやすく説明してくれるものなんです。

 

もう少し説明してほしいなというとき、私がよくやるのは、相手の言葉を反復することです。

たとえば、

相手「大事なのは、人を信じることです」

私「信じること、ですか」

という感じです。

 

感心したときは感心した顔。

納得したときは納得した顔。

驚いたときは驚いた顔。

 

無表情の方は、「感情を動かすと負け」とでも思っているんでしょうか?

そんなかけひきはいらないと思いますよ。

表情豊かに反応することは、負けじゃありませんから。

むしろ、好印象を持ってもらえて、いろんな話をしてもらえて、結果的に「勝ち」です。